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2010年02月02日

高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)

「調色」などの作業中、暗い場所では色の判別が付きにくいため、自作の照明器具を作ろうと計画しています。

その際、正確な色を判断するために重要な、最上の「光」を求めて、いろいろ調査してみました。

高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)


  色の道 正しい「光」を求めて! (その1)
  簡単-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅱ)
  撮影用-分光器の作り方(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅲ)
→ 高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
  電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)
  高演色作業灯の作り方(電球型用インバーター使用 色の道Ⅵ) 
  高演色性の蛍光灯で、見え方はどう違うのか? (色の道Ⅶ) 


現場で使う場合、バッテリー駆動も視野に入れると、できるだけ少ない電力で明るい光がベストです。
当初、今話題の白色LEDを使用する予定でした。

高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)白色LEDの発光効率は年々向上し、現在では1Wあたり100ルーメンを越えるLEDが簡単に入手できます。→ オーディオQ

白色LEDの入力電圧は3~3.6V程度ですから、バッテリー駆動なら2~3個直列にして、定電流インバーター等を使えば80%以上の高い電源効率で利用する事ができます。

最近では家庭用の電球型LEDもホームセンター等で買えるようになりましたから、これをバラして使ってもいいかもしれません。


しかし、ちょっと不安なのは、懐中電灯などのLED光だと、赤色がくすんで見える点です。
調べていく中で、LEDの光では色の再現性(演色)が良くないのではないか?
という疑問が湧いてきました。

いろいろググってみると、一般に売られている疑似白色タイプのLEDだと、演色評価数(Ra)70程度のようです。


ここで、「演色評価数(Ra)」という言葉が出てきました。

演色評価数(Ra)とは、色の再現性を表す単位で、80以上あれば、普通の生活をする上で不自由無いと言われています。

ウィキペディアでは、次のような説明。
演色評価数とは、JIS(日本工業規格)で定められた基準光との比較の上で測定対象となる光源が、演色評価用の色票を照明したときに生じる色ずれを、指数として表したものである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ちなみに、こちらの説明が、もっと解りやすいです。


さて、それでは、どんな光源がいいのでしょう。
ここで、光源ごとのデータをまとめてみました。

■発光効率&発光・エネルギー変換効率&演色評価数(Ra)

光源の種類発光効率エネルギー
変換効率
演色評価数(Ra)
白熱電球16~18 lm/W10%Ra=100
蛍光灯40~110 lm/W25%普通形:Ra=60
三波長形:Ra=88
LED30~100 lm/W32%擬似白色 青黄色系:Ra=70
高演色タイプ:Ra=97

■参考サイト
発光効率 とは3.ランプのエネルギー変換メカニズム演色性演色評価数(Ra97)LED搭載の照明器具を世界初で製品化に成功!全てを包むLED照明


演色が一番いいのは、白熱電球 Ra=100です。しかし、もう少し省エネの明かりが欲しいところ。

高演色タイプのLEDは4.5Wタイプが1.3万円程度
4.5Wというと、電球換算で電球40W形相当でしょうか。現場では、電球40Wでは、かなり暗いですし、あまりに高価です。

次にいいのは、三波長形蛍光灯のRa=88。


ここで、ふと「蛍光灯 高演色」で検索してみると、ある特殊な蛍光灯が存在している事が分かりました。
それは高演色蛍光灯というもの。なんと、Ra=99です。

この種のランプは、各照明メーカーから、市販されています。
東芝ナショナル日立

これらのサイトの説明を読むと、美術館や博物館、写真のカラースライドの色評価用という、まさに色の再現性に特化した照明! しかも、価格は普通の蛍光灯とほとんど変わりません。

ようやく、探していた「正しい色」を判断するための「光」に、巡り会えたようです。

高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
高演色蛍光灯(色の道 正しい「光」を求めて! Ⅳ)
さっそく、ネットで各種の高演色蛍光灯を発注。
一般には店頭に並ばない商品ですが、今やネットで簡単に入手できます。

次は、入手したこの蛍光灯を、いろいろテストしてみましょう。

→   電球型用インバーターで直管型蛍光灯を点灯(色の道Ⅴ)






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この記事へのコメント
へぇ~
そんな蛍光灯があるんですか!

我が家のポスター(ルーカスクラナッハというオジサンが描いた女性像)は、
カミサンと子供に評判が悪いんです。
ひと言「怖い」・・・と。

ちなみにカミサンは、ルーカスクラナッハの本物は好きです(色がきれい・・・と言うとります)

蛍光灯を取り替えたら、少しは評判良くなるかなぁ・・・。
Posted by kusano@三線弾いてハッピーライフ!kusano@三線弾いてハッピーライフ! at 2010年02月03日 00:06
美術品と照明とは、密接な関係があります。

中世ヨーロッパの絵画を見るなら、当時のその地方の、薄暗い室内の光を再現しないと本当の色はわからない…。そんな批評を見た覚えがあります。

居間の照明に平気で蛍光灯を使うのは日本人くらい、という話も…。


豊富な色の語彙を持つ僕たちは、色に対して鋭敏な人種だったハズなのですが…。それらは、ぜひ取り戻したいですね。
Posted by IGUIGU at 2010年02月03日 01:13
蛍光灯にも色んなのがあるんですね~~。
スターター形とラビットスタート形の違いくらいしか、知りませんでした。

勉強になりまっす!!

あざ~~~~っす!!!





ばいや~。
Posted by 超酒酔人 at 2010年02月04日 12:46
この照明の違いが、プラモデルや模型作りにも、影響するんです。

という話は、次回以降に!
Posted by IGUIGU at 2010年02月05日 00:28
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