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2010年03月05日

単位の話 「 イクラ算 」

単位の話 「 イクラ算 」

あらゆる数字には、「 単位 」があります。 逆に、単位が無いと、数字は意味を持ちません。

?? いきなりそんなことを言っても、意味が解らないですよね。


でも、1円、2円。 1枚、2枚。 一皿、二皿。 一滴、二滴。 1桁、2桁。 1キロ、2キロ。 一本、二本。
…こうして書くと、何かイメージが浮かびませんか?


そう、数字が意味を持つためには、「その数字が何なのか」を示す「 単位 」が必要なんですね。


例えば、「俺、68!」と言われても、ウエストの話なのか、体重なのか、年齢なのか、順位なのか、イミフです! (こういう人、よくいますね 笑)


日本は特に単位の豊富な国です。
インドネシアに長期滞在していたとき、現地の人に日本語を教えていて、気が付きました。

彼らは、何で日本だと、物が違えば単位が違うのか、理解が難しかったのです。
でも、「一日10の日本語を覚えれば、1年で3~400の言葉を話せる」そう言って毎日真剣でした。

そこで、僕はこう言いました。

「子供が使う言葉だけど、ひとつ、ふたつが何にでも使えるよ。魚がひとつ。靴がふたつ。棒がみっつ。でも、彼女はひとつだけネ。(笑)」



単位の話 「 イクラ算 」

さて、本題。「イクラ算」の話。 …これは、僕の作った単位です。

北海道の、某漁協に住み込みで働いていたときの話。
ここでの僕は、鮭の卵を手で揉みほぐしてバラバラにし、市販の「イクラ」の状態に加工する工程全般を手伝っていました。

1~2年目は、その「イクラ揉み」。3年目は「フォークリフト」。4年目になると「イクラの選別」という大役を任されていました。(てか、バイトなんですけどー)

単位の話 「 イクラ算 」くだらない事を考えるのが大好きな僕は、ふと思いました。
イクラって、一匹から何個取れるんだろう…?

さすがに数えているヒマは無いので、漁師や職員に聞いてみました。
だいたい、一匹の鮭が、3000粒くらいの卵を産むそうです。

はっ! という事は、「1鮭=3000イクラ」という式が成り立ちます。

それは「2なまこ=3000イクラ」とも言い換えられます。 (卵の固まりのハラコの事を、北海道では「なまこ」と呼んでいました。一匹に左右2本あります)

ここで、「1鮭=2なまこ=3000イクラ」という公式が証明され、そこから「イクラ算」が開発されたのです。


例えば、鮭を入れるタンクは、だいたい1トンの容量ですが、ここに鮭が400匹ほど入ります。
すると「1タンク=400鮭=120万イクラ」という解が導けますね。

こうして、一日に入荷する鮭の数から処理速度を計測し、最終的には秒速○○イクラまでを算出するに至ったわけ。


この「イクラ算」を広めると、男子チームはすぐに概念を理解してくれました。(女子は…。)

4年目の僕はイクラの選別係(正確には、ハラコ)でしたが、さらに鮭の搬入速度を調節しながら、鮭を捌いて卵を取り出す班と、イクラを揉む班との人数を調整する役割も任されていました。

で、「おーい、4人、捌くの止めて揉みに回れー!」等と指示を出して調整しながら、今、時速4000鮭で処理している。あと残り20タンクだから、2時間で終わるゾ。頑張れ! などとハッパを掛けながら、みんなを動かしていたのです。(指図は苦手な僕ですが、仕事ですから)
疲れでハイテンションになったみんなは、「うぉ~! 俺のMAX秒速3000イクラァー!」とか叫びながら、働いていましたっけ(笑)。
注:いくら揉み、現在は機械化されているようです。

こうして北海道で開発された「イクラ算」が、その後どうなったのか…。

今は沖縄に住むようになった僕に、知るよしもありません…。
願わくば、どこかで誰かの役に立ってくれてれば、いいのですが (注:まったく役に立ってないハズ 笑)。


ちなみに、イクラは、鮭の捕れた場所、魚の成長具合、鮮度等で厳密に管理され、僕の段階でも数等級に選別していました。

なにより大切なのは、鮮度です。
新鮮ななまこ(ハラコ)は、テニスのガットのような糸を張ったテーブルに手で擦りつけてほぐしても、中のイクラはつぶれません。
新鮮な卵を、とにかく最速で処理するのが、鉄則。

その後で、飽和食塩水等で処理して味付けすると、保存のきく製品になります。


裏の事情はあまり書けませんが、イクラに関しては、安い製品はそれなりって事です。

あと、スーパーで筋子を買ってほぐしても、本来の味とはまったく違うシロモノなので、注意。
おいしいイクラを食べたかったら、冷凍でもいいですから(出荷時、ほぼ全てが冷凍)、国産で相場以上の値段の品を求めましょう。


最後に一応、お約束。4年間(シーズン)勤めた僕が言うので、本当です。
「イクラは、いくら食べても飽きないです…」

特に醤油漬け。最高っすよー。





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この記事へのコメント
イクラはいくら食べても飽きない

いただきましたm(_ _)m
あざ~まっす
イクラ丼が食べたくなりました(⌒~⌒)




ばいや~。
Posted by 超酒酔人 at 2010年03月06日 00:39
食べた事あります

居酒屋の従業員が(知り合い)本日北海道から届きましたって言ってさりげなく出してくれましたもちろん味見で(量的には多めに入ってた)あま~く、何ともいえない感覚

なかなか手に入れる事が出来ないからラッキーでしたって話してました


あ~また食べた~い
Posted by 知念っち at 2010年03月06日 00:42
ウチの職場では、
(今はもう使いませんが)牛丼算がありました。

交通費や月謝、楽器の価格まで全ての金額を、
「牛丼何杯分」に換算する訳です。

まったくでもって何の役にも立ちませんが、
面白おかしいことだけは確実です。
Posted by kusano@三線弾いてハッピーライフ!kusano@三線弾いてハッピーライフ! at 2010年03月06日 01:15
こんばんは(^o^)丿

>「うぉ~! 俺のMAX秒速3000イクラァー!」って
ゲーム感覚に持って行くところが男子らしいですね

ひとつ、ふたつ。。。は確かに便利です(o^―^o)

沖縄では(またしても) てぃーち、たーち、。。。がすごく便利です♪
でも私も回りの人も使いませんが(笑)

いくらの選び方、勉強になりました(@^▽^@)
Posted by mozzarimozzari at 2010年03月06日 01:38
◇ 知念っち さん
北海道から届きたてのイクラ。いいなぁ。
そんなのを、さらっと出してくれる居酒屋を知っているのも、うらやましいです。

おいしい物は、貴重ですよね。


◇ kusano@三線弾いてハッピーライフ! さん
なんだか、美味しそうな単位ですねー。

1000円が3牛丼くらいになるのかな?

すると、1万円は30牛丼。
聞いただけで、お腹いっぱいですね(笑)。


◇ mozzari さん
朝から晩まで室内でイクラを揉んでいると辛すぎるので、みんなでいろいろ遊びを考えます。
サナダムシ(汚くてごめんなさい!)の長さコンテストとか、最速イクラ揉みコンテストとか、いろいろやってましたよ。
Posted by IGUIGU at 2010年03月06日 18:34
◇ 超酒酔人 さん
ごめんなさい! 飛ばしてしまいました。
けっして、意図したワケでは!

漁協の寮では、イクラがボールで出てきて、食べ放題でした。
普通の食べ物って、続けて食べると飽きるんだけど、これは飽きませんでしたねー。

今でもイクラ、大好物です。
Posted by IGUIGU at 2010年03月11日 19:31
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